2021年 春のスギ花粉情報(コロナ禍における注意点)
昨年(2020年)は暖冬で、福井市の飛散開始日は例年より早くて2月13日でしたが、スギ花粉総飛散量は平年を下回る結果に終わりました。
今年(2021年)は2月21日頃が飛散開始日と予想されています。予想される花粉の総飛散量は平年の73%ですが、昨年の214%という予想です。
(日本気象協会 2021年春の花粉飛散予測:http://tenki.jp/pollen/expectation/ )
花粉症は早めの治療開始で症状が軽くなります。2月中旬までに抗アレルギー薬の内服を開始して、2月下旬からの飛散開始に備えましょう。
<いつまで花粉飛散は続くのでしょうか?>
→ 昨年の福井市におけるスギ花粉飛散開始は2月13日、終了は4月12日でした。また、類似のヒノキ花粉は3月23日飛散開始、4月13日終了でしたが、平成30年は4月26日まで飛散が続いたので、ゴールデンウィーク前まで症状が持続すると考えてください。
<花粉シーズン中の一般的な注意>
・上着は玄関で脱ぎ、花粉を室内に持ち込まないようにしましょう。
・外出時はマスクや花粉症用のメガネを使用しましょう。
・目のかゆみがある時は目薬を積極的に使いましょう。(コンタクトレンズをしていても使える目薬があります。)
<今年は新型コロナウイルス感染との区別が必要です>
毎年花粉症の症状が出る人でも、今年は新型コロナウイルス感染との区別が必要です。発熱がある場合や、鼻づまりがないのに嗅覚・味覚障害がある場合はかかりつけ医に相談してください。
<新型コロナウイルス感染に関連したアドバイス>
・今年は新型コロナウイルス感染を考慮してマスクを2枚重ねするのも良いでしょう。くしゃみをしたら内側のマスクを交換します。
・目がかゆいからといって手洗いや消毒をしていない手で目をこすらないようにしましょう。目の粘膜からウイルスが感染するからです。→(花粉症用)メガネをかけていれば目をこすることに対しての抑制効果があります。
<インナーマスクの使用>
外で仕事をする人、特に山間部のスギ林の近くで仕事をする人は、市販のマスクだけで花粉を吸い込むのを完全に防ぐことはできません。そこで、99%以上花粉をカットできる「インナーマスク」を自作して使用されることをお勧めします。(環境省 花粉情報サイトhttp://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/ :花粉症環境保健マニュアル 2019のPDF 26ページ目)
<抗アレルギー薬服用中の注意>
薬の服用によって「ねむけ」が出る人は自動車の運転を控える必要がありますが、眠気が出にくい薬剤もありますからご相談ください。
<舌下免疫療法>
毎年花粉症の症状が強い方、従来の治療に満足していない方、薬の量を減らしたい方、近い将来に妊娠を希望されている方には、舌下免疫療法(体質を根本的に改善する治療法)がおすすめですのでご相談ください。
<最新の抗IgE療法>
重症のスギ花粉症に対する最新治療として、アレルギーの原因となるIgEという物質に対する抗体を人工的に作った薬を皮下注射する方法があります。確実な効果がある反面、薬価が非常に高いという欠点があります。興味がある方はご相談ください。